不妊治療を望むカップルの数は年々増加している

近年、結婚、出産年齢の高齢化により不妊治療を望むカップルの数が増えているそうです。厚生労働省の発表によれば、平成14年の時点で不妊治療を受けるカップルの数は46万人を超えていて、その後も増え続けているといいます。ではそもそも「不妊症」って何なの?ということですが、不妊症は病名ではありません。子どもを望んで避妊をせず、通常の夫婦生活を送っているにも関わらず、子どもが授からない状態を指す言葉です。日本産婦人科学会の定義によると、その期間は「1年」。

ようするに子どもを望んでも一年以内に妊娠しなければ、病院に行くまでもなく「不妊症」ということになります。ちなみにこの「1年」という期間は、数年前までは「2年」と定められていました。しかし近年、女性の晩婚化によって妊娠する年齢が上昇したことから、早期に適切な不妊治療につなげられるよう、2015年に妊娠しない期間の定義を変更したのです。なぜ1年以内なのか。それは妊娠の確率によって導き出されています。学会によると、20代の健康なカップルが妊娠を希望した場合、1年で80%、2年で90%が妊娠するといわれています。つまり1年、ないしは2年で子どもができるが「自然」というわけです。

出典:http://www.jsog.or.jp/


ひょっとして不妊かも。そのとき夫にどう話す?

ここまで読んで焦った人、多いのではないでしょうか。しかし上記はいわゆる一般論であり、不妊症について説明したまでの話。ここからは経験に基づき、もっとリアルな話をしたいと思います。

私が「あれ?おかしいぞ」と思ったのは、結婚してから1年くらいが経った頃でした。とくに不妊症の定義を知っていたわけではないのですが、なんとなく違和感を持ったというのが正しいかも。私の場合、まわりに不妊治療を受けている女性が多く、彼女たちから「欲しいなら早めに病院に行ったほうがいいよ」と言われたこともあり、不妊治療に対して壁を感じていなかったのが助かりました。もしも周りに理解者がおらず、「子どもまだ?」とズケズケ聞かれていたら相当つらかったと思います。だから周りに分かってくれる人がおらず悩んでいる人がいたら、ネットで仲間の声を拾いましょう。

不妊で悩んでいる女性はたくさんいますから。ただ悩んだのは、夫になんて言おうかということでした。不妊治療の難しさってこの「一人の努力では叶わない」点にあると思います。「不妊」という言葉の強さを彼がどう受け止めるのか、不安がありました。そこで私が出した答えは、「とりあえず検査に行ってくる」と話すことでした。あえて不妊というキーワードは使わず、「もし何かが見つかったらそのとき一緒に考えて」と極めて軽く伝えたのです。この方法が正解だったかは分かりませんが、少なくとも我が家では功を奏したように見えます。こればっかりはご主人の性格を見極めて欲しいところ。検査に入る前にじっくり話し合う方がいい夫婦もいるでしょうし、奥様がぐいぐいと引っ張っていくほうがうまくいく夫婦もいるでしょうから。


「検査」が不妊治療のスタートライン

不妊治療に入る前に、当然ですが検査をする必要があります。まずこれがスタートライン。当然、不妊の原因はさまざまあり、それを突き止めないことには適切な治療が行えないからです。私はとある大きな大学病院の不妊診療科に足を運んだのですが、そこでは女医さんが一から丁寧に説明してくださいました。私が受けたのは、「経腟超音波検査」と「血液検査」、そして「子宮卵管造影検査」の3つ。すべてを一度に検査できるわけでなく、生理の周期に合わせて行われるため、何度も検査のために病院に行かなくてはなりません。超音波検査とは棒状の機械でぐりぐりされるアレです。これで卵子が大きくなっていく様子をチェックしたり、子宮筋腫の有無や子宮内膜の厚さなどを教えてもらいました。血液検査からはホルモン量などさまざまなことが分かるのですが、一番大きなポイントとなったのが卵巣年齢でした。女性の卵子は加齢とともに減っていくため、検査の時点でどれくらいの卵子が残っているのかを血液で調べるのです。ただし残っていればいいというわけではないそう。卵子は数と同様、質も大事とのこと。子宮卵管造影検査は、卵管が通っているかどうか、卵管に造影剤を注入してレントゲンで撮影する検査なのですが、人によっては激痛なのだとか。ただ私はほとんど痛みを感じませんでした。

出典:https://ninkatsuouen.jp


ネット上には震え上がるような体験談があふれていますが、これはあくまで人によるということで、必要以上に怖がるのは損ですよ!ちなみに卵巣年齢を血液で調べるAMH検査は保険適用外ですし、同じ血液検査でも、検査内容によって費用はバラバラ。私は初診料なども含めると全部でざっと2万円くらいを支払ったように記憶しています。病院や人によって差はあると思いますが、私くらいの検査内容であれば、これくらいの費用を準備しておけば大丈夫だと思います。 原因さえわかれば前向きに治療ができる! 約1カ月いろいろと検査を受けて私が聞いた結果。まず卵巣年齢はOK。年齢の割には卵子が残っているとのことでした。続いて卵管も詰まっておらずきれいとのこと。

が、しかし。どうやら私、卵子の元になる小さな卵はたくさん見つけられるものの、それがきちんと育って排卵していないとのこと。「多嚢胞性卵巣症候群」というそうで、いわゆる排卵障害のひとつ。原因は分からず、けっこう多くの女性がこれにあてはまるそうです。妊娠するためには良い卵を排卵させることがポイントとのことで、私は飲み薬を処方されました。医師から「多嚢胞性卵巣症候群」を告げられた日の帰り道、ショックももちろんありましたが、それ以上にホッとした部分が大きかったんです。原因が分かれば対処のしようがあるし、前向きになれる。だから不妊かもと思ったら、まずは一日でも早く、検査に行くことをおすすめします。何も見つからなければ安心できるし、見つかったら見つかったで対処していけばいいじゃないですか!


原因さえわかれば前向きに治療ができる!

約1カ月いろいろと検査を受けて私が聞いた結果。まず卵巣年齢はOK。年齢の割には卵子が残っているとのことでした。続いて卵管も詰まっておらずきれいとのこと。が、しかし。どうやら私、卵子の元になる小さな卵はたくさん見つけられるものの、それがきちんと育って排卵していないとのこと。

「多嚢胞性卵巣症候群」というそうで、いわゆる排卵障害のひとつ。原因は分からず、けっこう多くの女性がこれにあてはまるそうです。妊娠するためには良い卵を排卵させることがポイントとのことで、私は飲み薬を処方されました。医師から「多嚢胞性卵巣症候群」を告げられた日の帰り道、ショックももちろんありましたが、それ以上にホッとした部分が大きかったんです。原因が分かれば対処のしようがあるし、前向きになれる。だから不妊かもと思ったら、まずは一日でも早く、検査に行くことをおすすめします。何も見つからなければ安心できるし、見つかったら見つかったで対処していけばいいじゃないですか!


不妊治療はステップアップしながら行われる

いま私は飲み薬で卵子を育てて、排卵日を医師に教えてもらい、その日に夫婦で仲良くする「タイミング法」をとっています。

出典:http://umiwakeseikou.com/


不妊治療ときくとあの高額な治療法がパッと思い浮かびますが、それまでにいくつかの段階があって、ステップアップしながら進めることになります。大きくは、タイミングの次が、医師の手で男性の精液を女性の子宮内に注入する「人工授精」、次に体の外で精子と卵子を受精させ、受精卵を子宮内に戻す「体外受精」、そして次に精子の力に頼らず、ガラス管などを使って精子を卵子に注入し、そしてできた受精卵を子宮内に戻す「顕微授精」です。順番に高額になっていきますが、「体外受精」と「顕微授精」を受ける場合は助成金を受け取ることが可能。「特性不妊治療助成制度」と呼ばれている制度で、各都道府県の地方自治体によって制度の内容が異なるため、気になる方は一度、窓口やホームページで確認してもいいかもしれません。


夫の検査をどうするかが、もっかの悩み。

飲み薬で排卵を促しながら、絶賛妊活中の私。ただお気づきの方もいかもしれませんが、大きな問題を抱えているのです。そう、じつはまだ夫の精液検査をしていないのです。

はっきり言ってこれがひじょうに言いにくい!!!!!家で採取する場合は2時間以内に病院に持ち込まなくてはいけないのですが、平日の朝、出勤前に出してくれとは言えず・・・。かといって病院に来て出してくれとも言えず・・・。これ世間の女性はどうしているのか、逆に私も知りたいです。今はまだタイミングをとっている段階なのでいいものの、もし次のステップである「人工授精」に進む場合はかならず精子の検査が必要。だって精子のない精液を子宮内に入れたところで治療にはなりませんから。だからひとまず「次のステップになると精子の検査もしなくちゃいけないからね」とその事実のみ伝えました。ひとまず「分かった」と言っていたので、それまでには腹をくくってくれると信じるしかありませんね。


---------------------------------------------

ライターR(38)絶賛妊活中。

TERRACE

テラス「terrace」は美容・健康、妊活・妊娠をテーマに基礎知識やお得な情報を特集しています。